赤面症の対処法
はじめに
この世の中には人知れず赤面症で悩み、苦しんでいる人たちがいます。そのなかには、この病気のために通常の社会生活を送ることができなくなったり、メンタルに大きなダメージを受ける人もいます。ですが、そのような人たちがいることは世の中の人たちにはほとんど知られていないのが現状です。これだけ厄介な神経症ですが、確実な治療法やメカニズムというのはというのはまだはっきり解明されてはいません。このページの名前が「治療法」ではなく、「対処法」となっているのもそのためです。そこで、ここでは少しでも赤面症の人が楽になるためのヒントをまとめてみました。
※おすすめ度は現時点での個人的判断です。
思考法
赤面症の人は過去の恥ずかしい体験などから、赤面しそうな状況になると無意識のうちに赤面してはいけないという思考で頭がいっぱいになります。そうするとますます赤面してしまい、負のスパイラルに陥ります。そこであえて逆に赤面しろと念じるのです。そうすると、ふっと気分がラクになり、負の思考スパイラルから脱出できるかもしれません。これは今からでもはじめられることなので、試してみてください。
首筋の冷却
赤面したとき、しそうなときにもっとも手軽で簡単な方法は、冷やしたタオルなどで首筋を冷やすことです。前もって冷却シップなどを首筋の下に貼るのもよいと思います。首筋だと目立つ場合は、わきの下に貼るのもいいかもしれません。この方法は、過去に日本テレビの「特命リサーチ200X」で赤面症を取りあげたときにも紹介されました。
食生活の改善
私は試したことがありませんが、糖質の摂取をひかえることで赤面の症状をおさえることができたという報告例もあります。
現在はさまざまなアプローチで糖質制限方法が紹介されており、しかも簡単に実践できるので、試してみる価値はあるかもしれません。
また、コーヒーや日本茶やドリンク剤等、カフェインを含む飲料は覚醒作用がありますが、その反面、自律神経の乱れや神経過敏や動悸などの症状起こるおそれがあるので、赤面症の人はなるべく控えたほうがよいでしょう。
ファッション
赤面を完全に隠すのは難しいですが、見た目を変えることで赤面恐怖を和らげることができるかもしれません。 顔を隠す髪型や、流行の大きめのメガネなどもおすすめです。女性の場合はメークを工夫するのも方法のひとつです。
温冷浴
冷えによるのぼせには温めるのが効果的なのはわかるのですが、すぐに熱が逃げていってしまい、どうしても効果を持続できません。そこで調べてみたところ、お湯の風呂と水風呂を交互に浸かる温冷浴というのがよいということがわかりました。そうすることで、毛細血管や自律神経を鍛え、赤面やのぼせに強い体を作れるのではないかと思います。方法は40度前後の湯船から水風呂に浸かるのを5〜10回程度繰り返したのち、最後は水風呂で終わるというものです。浴槽が用意できない場合は、シャワーで代用します。くわしい実践法や効果については、解説サイトがたくさんあるので、「温冷浴」で検索してみてください。
サプリメント
- 5-htp…5-htp(ヒドロキシトリプトファン)は不安やうつ症状、不眠症をやわらげる効果のあるサプリメントです。比較的即効性があり、赤面するような場面への不安を解消する助けになるサプリメントです。市販されていないため、個人輸入や輸入代行サイトで購入する必要があります。サプリメントのなかでは比較的おすすめです。
- セントジョーンズワート…セントジョーンズワート(西洋弟切草)は5-htpのようにうつ症状や不安を和らげる効果があります。効果を感じるには数週間飲み続ける必要があります。市販されてるため手軽にはじめられますが、量が少ないため、効果を感じるためには個人輸入など海外から取り寄せたほうがよいかもしれません。
- GABA…GABAには血圧を下げ、ストレスを和らげる作用があります。抗不安薬ほどではありませんが、それと多少似た効果が実感できます。食品やサプリメントなどで摂取できますが、量が少ないので効果を感じるには海外から個人輸入するのがおすすめです。
- ナイアシン…ナイアシンとはビタミンB3の別名で、健康やストレスなど、さまざまな効果が期待できるサプリです。推奨量は10〜15mgですが、海外の通販サイトなどから含有量が多いタイプのもの(100〜500mg)を購入して飲むと、ナイアシンフラッシュという、急激に血管が拡張される症状が起こります。これによってストレス、緊張や血液循環などを改善することで、もしかしたら赤面症に効果が期待できるかもしれません。
※ナイアシンフラッシュが起こると、赤面症の人は普通の人よりも顔がさらに赤く紅潮してしまうため、人前に出る前などに飲むのは避けたほうがよいでしょう。 - 百草丸、リローラ…人間はストレスなどを感じるとコルチゾールという物質が出て、交感神経が活発化してイライラや不安などの症状があらわれます。その活発化した交感神経を抑えるのがリローラや百草丸などのサプリメントです。とくに御岳百草丸は市販で比較的安価で購入できるので、試してみる価値はあるかもしれません。
喫煙
- 喫煙…赤面のメカニズムは毛細血管が拡張するのが原因のひとつとされていますが、タバコに含有するニコチンの副作用である毛細血管収縮効果で赤面を緩和できないか?という対策法です。
それに加えてタバコはリラックス効果もあり、多少は効果が期待できるかもしれません。
ただし、健康を害するおそれや、いまでは分煙化がすすんで人前で吸える場所も限られてきているため、あまり現実的な対策法とは言いにくい状態となってきています。
抗不安薬&インデラル
- 抗不安薬…デパス、レキソタン、ソラナックス、ワイパックスその他、これらの抗不安薬を服用すると、赤面による不安や緊張をやわらげることができます。眠気や集中力の低下などの副作用があるので、服用の際には注意が必要です。
抗不安薬は精神科や神経科などの病院で処方されますが、デパスは海外ジェネリックのエチラームを個人輸入で購入する方法もあります。また、デパスは肩こりや不眠症、高血圧などでもよく処方されます。精神科へ通院ことを躊躇する人は、そういったことも頭のすみに入れておいてもよいかも知れません。
- インデラル…インデラル(プロプラノロール)は高血圧で処方される薬ですが、交感神経に作用して動悸を抑える効果があるため、あがり症などをやわらげるために飲む人もいます。インデラルはデパスなどと同様、個人輸入などで購入することもできます。
赤面症に対してはインデラルを飲むだけでは効果は限定的で"動悸とともに不安を抑える"、つまり抗不安薬と一緒に服用することで効果を発揮させることができるのではないか…ということです。もちろんこれらは裏ワザ的な方法なので服用は自己責任ということになります。
交感神経ブロック注射
首の付け根付近にある星状神経節に麻酔液などを注射し、一時的に機能を麻痺させることで交感神経の働きを休めることができる治療法です。 ペインクリニック(麻酔科)で頼むと打ってくれます。
私の場合、注射直後の数時間は明らかにからだがのほてりが取れ楽になります。
ただ、その状態は数時間たつと緩やかに収まり、元の状態に戻ってしまいます。ただし問題は、注射直後は一方のまぶたが下がったり目が充血するなどの症状が起こることです。
また、一回程度の注射では長期的な効果は期待できず、効果が出ても数時間しか持続しないため、複数回注射してもらう必要があります。この注射は手術より比較的格安で手軽に行うことができるため、試してみる価値はあるかもしれません。
抗うつ薬
赤面症の治療のため、精神科や神経科でSSRI、SNRIなどの抗鬱薬を処方されることもあります。しかし、赤面症はあくまで神経症であって精神疾患ではありません。もちろん、赤面症によってうつ状態やパニック発作など、メンタルにまで明らかな影響を及ぼしているような場合は別です。しかし抗鬱薬は概して副作用が非常に強いため、赤面症の症状だけで抗鬱薬を服用するのはリスクが大きいと言わざるをえません。もし病院で処方されたとしても、そのことをよく考えて服用するべきでしょう。
ETS手術
おもに多汗症の治療として、交感神経を遮断するETS(胸腔鏡下胸部交感神経遮断術)という方法があります。これはおもに多汗症の治療のために行われますが、一部の病院では赤面症の治療で手術を行なっているところもあるようです。この手術によって手のひらや顔からの発汗が抑えられますが、代わりに下半身など別の場所から抑えた汗が出てくるという、大きな問題があります。しかし、これほどのリスクにもかかわらず、この手術で赤面症が治ったという話はほとんど聞きません。手術によって赤面症が治る可能性はとても低いですが、代償発汗は100%の確率で起こります。結論として言えるのは、ETS手術はやってはいけないということです。
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2014年10月更新 赤面症・のぼせ対処法